日本顎関節学会で、1996年に顎関節症の分類が改定されました。
顎関節症は大きくわけて4つに分類されます。
顎やこめかみの筋肉だけに痛みを持つタイプ。
顎関節には痛みがなく、また以前に「カクカク」といった音も経験していないものです。咀嚼筋を中心に症状がでることから、「咀嚼筋障害」とよびます。
顎関節だけに痛みのあるタイプ。
他の関節にみられる捻挫と類似のものです。以前に「カクカク」といった音も経験していないことが条件になります。後から述べる関節円板に変形があるものと区別して、「関節包・靭帯障害」と呼びます。
歯科医院に来院される患者さんの3/4がこのタイプで,「関節円板障害」とよびます.関節円板の位置のズレや,変形があることで「カクカク」といった開閉口時の音(クリック)がでたり,変形が大きいと口が途中までしか開かなくなります.関節円板の位置のズレは非常に多くみられ,これまで何の症状を経験したことのない人でも,少なくともその中の10数%には軽度なズレがあると報告されています.また「カクカク」音はあるけれども,そのほかには痛みも開口障害もこれまで経験したことがない人も多数います.何の症状も経験したことがない人をあわせると,関節円板に多かれ少なかれ変形がある人は,おそらく日本の人口の1/3にのぼるのではないでしょうか。
関節円板がこれほどズレを起こしやすい理由として,関節円板は下顎頭の外側と内側には強く連結しているものの,前後方向への連結はゆるやかなことがあげられます.この構造によって関節円板は前後へ大きく動くことが可能になっているのです。
顎関節に対する強い負担が繰り返されたり長時間持続したため、関節を作っている骨の表面が吸収される場合があります。吸収されるだけでなく周囲に新たな骨が作られることから、「変形性顎関節症」あるいは「顎関節の骨関節症」とよびます。
ただ、老人の腰の関節に起こる変形性膝関節症のように、強い変形を伴うのは非常に稀で、多くの例ではある程度変形したところでそれ以上進行しなくなるものです。多くは中年以降の人にみられますが、若い人にもみられることがあります。
顎関節症について詳しくは
東京医科歯科大学のホームページをご覧ください。
http://www.tmd.ac.jp/dent/tmj/tmj-J.htm
次世代の顎関節症治療を考える会
東京医科歯科大学の顎関節治療部で研究・研修した歯科医師有志が組織しているスタディー・グループが
立ち上げた会です。
http://tmd-kino.com/